
土佐湾でのホエールウォッチングではカツオクジラに遭遇することができます。カツオクジラを対象としているウォッチングは日本全国探しても高知県のみ!知ればもっともっと楽しめるクジラの情報をぜひお読みください。
カツオクジラ

世界最大のシロナガスクジラと同じナガスクジラ科のクジラです。ナガスクジラ科には6種類が含まれます。
また、黒潮より外側の沖合に住むカツオクジラは餌や繁殖場を求めて回遊をするのですが、土佐湾などの沿岸に住むカツオクジラには1年中そこにとどまっている個体が多いようです。 体長は12~15m、土佐湾で見られるクジラの仲間のうち、マッコウクジラに次いで大きいクジラになります。
■ニタリクジラあらためカツオクジラに!『2024年6月、日本セトロジー研究会で、土佐湾のクジラは沿岸性の「カツオクジラ」と発表』 土佐湾のホエールウォッチング(黒潮町)で採取したクジラの排せつ物のDNA解析から、かなりの自信をもってカツオクジラと言える、と発表されました。
宇佐の漁師さん、昔は「カツオクジラ」「イワシクジラ」と呼んでいたようです。 「クジラつきのナブラ」「カツオつきのクジラ」「クジラつきのカツオ」といまだに無線での会話も聞こえてきます。 鰹とともに現れる、鰹とともに泳ぐクジラ。 土佐の一本釣り鰹船は昔から、鯨に助けられながら鰹漁をおこなってきました。鰹船にとって鯨は特別な存在なんです。 まさに高知らしい、土佐らしい『カツオクジラ』の発表でした。
さらに、船が近寄ってもあまり警戒しない穏やかな 性格と優雅に泳ぐ姿から「海の貴婦人」とも 呼ばれています。
水面が穏やかなときは、このように きれいにカツオクジラの姿を観察することができます。
■ココがみどころ!カツオクジラの行動紹介
ブロウ
噴気、息継ぎのことです。大型の個体では上がるブロウの高さは3mを超えることもあります。ウォッチングでは、広い大海原でこのブロウを目で探して発見しています。
ペダンクルアーチ
クジラが長い潜水に入る前に背中をアーチ状に大きく曲げる行動のことです。カツオクジラは潜る際に尾びれを上げませんので、このペダンクルアーチが最も良いシャッターチャンスになります。
フィーディング
餌を食べる行動のことです。大きな口でイワシなどを海水ごとバクリ、その後クジラヒゲでイワシを濾し取り海水だけを口の外に排出します。迫力満点のフィーディングは9~10月によく見られます。
ブリーチング
水面に大きく踊りだす行動です。ジャンプするように大きな体が宙を舞います。この行動が見られる確率は5%以下、見られた方は感動すること間違いなし!
この他にも、お客様にお腹を見せたり頭だけを水面にだす行動(スパイホップ)も見れることがあります。
■カツオクジラは1頭ずつ個体識別が可能です
土佐湾のカツオクジラは背びれの形状や体の傷などにより、1頭ずつ個体識別されています。下に識別が簡単な9頭の背びれを載せてみました。
1頭ずつ違いますね?? 分かりやすいカツオクジラには愛称をつけたりもしています。
また、背びれ以外で体に特徴的な傷などがある場合も、個体識別のキーとなります。

毎年その年に産まれた小さな赤ちゃんクジラを連れた親子を発見しています。また、1994年に初めて行われた土佐湾一斉調査で確認された個体と、よくウォッチングで遭遇することがあります。
土佐湾にはカツオクジラの他にもいろんなクジラをウォッチングすることができます。
その他のクジラについてはこちらをご覧ください→その他海の仲間紹介 |